次の一手2

  23, 2017 07:11
 早朝兄貴と釣りに行くことになった。彼は今のすさみ食堂を観光客も来るところにしたいと考えているようだ。昔は2階にも座敷があったようだが今は古い食器や厨房機械の置き場になっていると言う。つい牙はホームページを作る約束をしてしまった。それでシステム部長からその日に最新のフレームを送ってもらった。兄貴は昼間は2階の整理を始めるようだ。
 今日は田んぼの雑草を小まめに抜いている。隣の夫婦が来て指導をしてくれる。牙はジャージを着て汗を流す。YOUと植えた玉ねぎがそろそろ収穫時期に来ているそうだ。それを写メールにしてYOUに流した。それに対して夕方返信のメールが入る。
「昨日から東京でゲームソフトのドラマ第2弾の撮影が始まったよ。社長が来ているけど我慢して話に来ないのよ。お尻くらい触ってもいいのにね?冗談!」
 剣士になった写真が添付されていて牙はどんどん美しくなってくるYOUに驚いている。
「プロは違うなあ」
 いつの間にか娘が覗き込んでいる。彼女は今日は新しいエプロンを付けている。兄貴のホームページの撮影を始める。牙は借りて来たカメラを構える。
「裸でエプロンでもいいよ」
「エロ娘め。裸の気持ちでいいのだよ」
 今日から兄貴の作った料理の撮影も始める。取りあえず娘のパソコンを使うことにしている。書き手は娘がすることになった。客が入ってきて撮影は中止して窓際の指定席でビールを飲みながら映像を貼り付けている。兄貴の新しい店ができるまでと言う感じでアップを早めに考えている。
 9時になって兄貴も調理場から出てくる。客は牙だけだ。
「へえ!こんなに簡単にできるのですね?」
「いや、作成を見せるのだよ。それに妹の人気に乗せてもらうのさ」
「私も捨てたものじゃないのよ」
 兄貴が妹を女としてみているようだ。しばらく彼女を主流で映像を流そうと思っている。
「兄貴は新メニューを早く考えてくれよ」










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次の一手1

  22, 2017 06:16
 頭からのメールと茂さんの隠しカメラでパソコンに侵入ができた。あれから頭から再三メールが来るが返事をしていない。これ以上の接触は危険だ。
 珍しくゴンさんではなくて余探偵から直接スマホがあった。
「4号、5号と2年前のオレオレ詐欺と現在の事件を同一犯と進めてきたのだが、遂に警察が協力を申し出てきたのだ。どこまで調べられるのかな?」
「頭の逮捕を終わりとは考えていません。黒幕の大池まで引っ張り出しますよ」
 まだ頭のパソコンに入ったことは伝えていない。それと関西の某会社として花田の会社も表に出していない。相当な材料がもう牙の手元にある。毎号が宅急便で送られてくる。
「調査費も5倍になった。そちらも5倍にするからな」
 スマホから目を上げて窓から沈む夕日を目を細めて見る。今日は客は牙だけだ。娘は補修でまだ帰っていない。
「米を作っていると聞きましたが?」
 兄貴と初めて交わした言葉だ。
「キタで働いていると聞いていますが?」
 ここほとんど彼が調理場に入っているようだ。
「親父がぎっくり腰で店を閉めようかと話があったのですよ。それで帰る決心をしたんです。妹は店など継ぐ気はありませんから」
「そのようですね?」
「妹のスマホを見たのですがまるで妹ではないように」
 牙のために焼き魚を用意してくれる。漁も親父の代わりをしている。
「でしょうね?」
 電車が着いたのか、常連の客が5人入ってきて兄貴は調理場に戻る。娘も戻って来てセラー服のまま牙の横に座る。
「団長から・・・」
「団長?」
「自画撮り劇場の代表の彼女のことよ」
「それは初めて聞いたな」
 どうも個別に話し合っているようだ。












流れる12

  21, 2017 06:57
「やっと本社の社長室に社長が座りました」
 専務から連絡が入った。YOUが第2弾のドラマに出ることになった。それと同時にソフトの作成が再び開始した。その後1時間遅れて社長からメールが入った。
「YOUさんに平手打ちを食らったんですよ。でもその痛さでこれから頑張ります」
 まさか平手打ちを食らわせたのか。YOUは数えられないほど兄貴の平手打ちを食らったのだ。だから逆にYOUは気合を入れていたのだと思う。
 朝から日が暮れるまで畑と田んぼを世話をして、いつものようにすさみ食堂に行く。若い男が白衣を着て包丁を振っている。
「誰だ?」
「兄貴よ。大阪のキタで料理人の見習いをしているの。5つ上だけどね」
「兄貴か」
と言って牙は言葉を飲んだ。兄貴とYOUの想像できない関係を思い出したのだ。普通親がいればああいう関係にはならなかったのだろう。それで牙もあの事件の後兄貴の話を避けている。
「牙見てよ」
 スマホを見せる。自画撮り劇場の予備軍でもう3位になっている。
「私こんなに魅力あったんだって」
「兄貴が睨んでいるぞ」
 確かに彼女は映像を撮ってから女らしくなった。YOUも自分の見せ方が分かってきたのだ。
「商談をしたいのだが?」
 遂にオレオレ詐欺の頭からメールが入った。牙は一度自分のパソコンに戻って別のパソコンを経由してメールを打つ。
「この添付している範囲にメールを10万通送りたい。確率と値を示してくれ?」
「検討してみる」
 よしかかった。









流れる11

  20, 2017 06:10
 YOUには3時まで寝させて貰えない。朝11時まで熟睡して起き上がっても目の前は火花が飛んでいる。
「今日はどこに行くのだ?」
「7時に秋葉原に行けばいいの。これが解散舞台なの」
「そうか解散することになったのか?」
「でもね、2人が残って3人を新人を入れるそうよ。そこに自画撮り劇場の2人が入るのよ。自画撮り劇場もちょっとした登竜門になったのね?あれ牙が出資してるのよね?」
 YOUが久しぶりに萩之茶屋の飯屋に行きたいとなった。
 飯屋の暖簾を繰るとまだ覚えられているようで黙っていてビールとコップが運ばれてくる。YOUは黒縁の眼鏡を出して掛ける。牙は眼鏡をかけているYOUを見るとホッとする。娘のように見えるのだ。
「社長のソフト受けてやれよ」
「やっぱり。牙は息子の社長には甘いのよ」
「息子じゃない」
「息子よ。私は娘じゃない」
と言ってビールを注文して牙に注ぐ。
「あのソフトのドラマ嫌いじゃないのよ。ただ社長にきっぱりとNOを伝えたかったの」
「盗聴器付けたぞ」
 これは茂さんだ。
「パソコンは守りは凄いが部屋は簡単に入れる」
 さっそくスマホを見る。あの頭の机のようだ。一番大きな机に上等なパソコンだ。こちらで自動的に録画している。指が見えるように設置している。さすがに茂さんだ。
 2時に飯屋を出て大通りでタクシーを捕まえる。
「気を付けろよ」
「今度は田んぼを見に行くよ」
「ああ待っている」




流れる10

  19, 2017 06:54
 7時に茂さんの入っているビルの1階に入る。すでに茂さんがテーブルに座ってワインを飲んでいる。
「田舎暮らしに慣れたか?」
「いやいやまだまだですよ」
「社長がYOUちゃんに振られて寝込んだようだな?まだ悪い癖は治ってないな?」
「社長とはそれから話した?」
「ああ、病気だなあ」
 話していると社員が下りてくる。
「見ましたよ!」
 自画撮りの彼女が牙の横に座る。
「すさみ町の彼女の映像を撮りましたね?」
「やはり見たか?」
「予選リーグですでに7位ですよ。きっと裸にしたのだわ」
「俺もそうするな?」
 カメラマンが賛成する。
「大阪に来ているのね?今日は大阪のテレビ局にいるの。10時頃には終わるのでママの店で合わない?」
 YOUからだ。すでに9時半になっている。OKを送って歩いて通天閣に向かう。
 ドアを開けると常連がカウンター並んでいる。それでも一番端の指定席が空いていてYOUが掛けている。もうワインのボトルが半分ほど空いている。
「大阪に来た時はここで一人で飲むの」
「社長とは?」
「俳優として受けれなければ断るって言ったの」
「YOUって冷たいな?」
「牙の方が冷たい。私に返事させるもの」
 1時まで飲んでいてYOUはラボホテルに引っ張っていく。







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